屋上防水の必要性とは?防水層が重要な理由と防水の種類を解説
屋上は雨風や紫外線から、建物の内部を守る大切な役割があります。また、洗濯物を干したり、開放的な空間でリラックスタイムを過ごしたりと様々な使い方ができます。しかし、傾きのある屋根とは違い平坦な屋上は、雨水が溜まりやすく屋内に雨水が侵入するリスクが高く注意が必要です。
本記事では、屋上防水が必要である理由を解説します。また、工法の種類と特徴も紹介するので、屋上防水を検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を読むための時間:3分
屋上防水が必要である理由
屋上防水が必要な理由は以下の4つです。
- 建物全体の劣化を防ぐため
- 雨漏りを防ぐため
- 建物の美観を保つため
- 耐震性の低下を防ぐため
建物全体の劣化を防ぐため
屋上から雨水が建物内に入り込むと、鉄筋や木材が腐食して耐久性が下がってしまいます。建物全体の寿命を延ばすには、屋上防水を施して雨水の侵入を防ぐことが重要です。雨漏りを防ぐため
雨漏りが発生すると、室内に侵入した水分によって家具が汚れたり、腐食によって破損したりする場合があります。家電やコンセント部が濡れると漏電して、感電や火災につながるおそれもあるため、注意が必要です。
建物の美観を保つため
コンクリートは水を含みやすいため、防水が施されていない状態で雨が降ると、内部の雨水が蒸発するまで時間がかかり、黒ずみやカビが発生するおそれがあります。また、表面が白っぽくなるエフロレッセンス現象が起こる場合もあります。建物の外観は資産価値に大きく影響するため、防水対策をして美観を保つようにしましょう。
耐震性の低下を防ぐため
屋上から雨水や空気中の炭酸ガスが入り込むと、建物の構造部である鉄筋が劣化して耐震度が下がるおそれがあります。耐震性を維持するためにも、屋上防水は重要です。
屋上防水の種類
屋上防水の工法は、主に以下の3つが挙げられます。
- アスファルト防水
- シート防水
- 塗膜防水
アスファルト防水
アスファルト防水は、液状の溶解アスファルトと、防水性の高いアスファルトシートを2層以上重ねて防水層を形成する工法です。耐用年数が15~20年と比較的長く、高い防水機能をほこります。ただし、比較的コストがかかりがちで工期も長く、工事中は臭いが発生するため、注意が必要です。
アスファルト防水の仕上げ方は「押さえコンクリート仕上げ」と「露出仕上げ」の2種類があります。押さえコンクリート仕上げは、防水層の上を保護コンクリートで覆う方法で、耐久性に優れています。一方、砂の付いたシートで保護する露出仕上げは、屋上の重さを抑えられますが、耐久性は高くないため、人の出入りが多い屋上には向きません。
シート防水
シート防水とは、ゴムや塩化ビニルなどの防水シートを、下地に張り付ける方法です。軽く施工がしやすいため、工期とコストを抑えられるメリットがあります。ただし、室外機が設置してあったり段差があったりするなど、形状が複雑な場所には対応できません。シート防水を検討している場合は、事前に業者へ問い合わせて施工の可否を確認しましょう。
塗膜防水
塗膜防水とは、液状の塗料を塗りつめて防水層を形成する方法で、主に「ウレタン防水」「FRP防水」の2種類があります。ウレタン防水は弾力があり、広い場所の施工も可能です。一方、FRP防水は薬物や腐食に強く、耐久性も優れていますが、伸縮性がないため、経年によって形状が変化する木造建築には向きません。
それぞれ複雑な形状の屋上でも施工が可能で、比較的低コストであることがメリットとして挙げられます。ただし、耐用年数はやや短く、5年程度でトップコートの塗り直しが必要です。
屋上防水は建物の劣化を防ぐ重要な役割がある
屋上から建物の構造部や屋内に雨が入り込むと、建物が劣化したり耐震性が低下したりするおそれがあります。また、むき出しのコンクリートは水分を含みやすく、外観が悪くなり資産価値が下がる場合もあります。建物の寿命を延ばし、価値を下げないために、屋上防水を施して雨水を防ぎましょう。
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