防水工事の基礎知識!工事の種類と選び方のポイントを解説
屋根や屋上、ベランダ、外壁、窓枠などは雨水や外気にさらされており、雨や雪、紫外線の影響を受けています。それらから建物の劣化を防ぐのが防水機能であり、建物の寿命を延ばすためには、定期的な防水工事とメンテナンスが欠かせません。本記事では、防水工事の基礎知識として種類や方法の選び方を解説します。
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防水工事の種類
防水工事の主な工法には、以下の7つが挙げられます。
- ウレタン防水
- 超速硬化ウレタン防水
- アスファルト防水
- 塩ビシート防水
- ゴムシート防水
- FRP防水
- 塗膜防水
ウレタン防水
ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を複数回塗ることで、つなぎ目のない防水層を形成する工法です。防水工事の中では比較的安価で、別の素材の防水層の上からも重ね塗りができることがメリットです。また、5、6年ごとにトップコートを再塗装することで約15年間、防水機能を保つことができます。ただし、乾燥に時間がかかるため、頻繁に人が通る場所の防水工事には、不向きといえます。
超速硬化ウレタン防水
ウレタン防水は基本的に人の手で行われるため、作業者によってムラが生じるおそれがあるのに対して、超速硬化ウレタン防水は、機械化によって品質の安定や施工性の向上が期待できます。
アスファルト防水
アスファルト防水は、合成繊維不織布のシートに、液状化させたアスファルトを染み込ませてコーティングした防水工法です。建物内に水滴を侵入させないシートを、二層以上に仕上げることで、防水機能をより強固なものに仕上げています。広い場所への施工が適しており、学校やマンション、ビルなどの屋上に採用されることが多いです。
塩ビシート防水
塩ビシート防水とは、原料が塩化ビニル樹脂のシートを、接着剤や機械で張り付けて防水層を形成する工法です。仕上がりが美しく、またその状態や鮮やかな色彩を保つ優れた耐久性があります。
ゴムシート防水
ゴムシート防水とは、屋上防水工事に使われることの多い工法です。コストを抑えられる、下地を選ばない、仕上がりにムラが発生しにくいというメリットがあります。一方で、複雑な形状の箇所は施工が難しいデメリットがあります。
FRP防水
FRPとは、「繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)」の略称です。軽く、強度があるため、屋上防水の他、バスタブやロケットなど様々な場面で使われています。ただしコストが比較的かかり、木造や10平方メートル以上の広い床面には施工ができません。
防水方法の選び方
防水工事には様々な方法があります。ここからは最適な工法を選ぶコツ3つを紹介します。
既存の方法に合わせる
防水工事には相性があり、既存の方法によって、新しい防水層を作る方法や手順が異なります。相性が悪い場合、一からやり直したり、大がかりな下準備が必要になったりするケースがあります。そのため、まずはこれまでの防水工事の方法をチェックして、合う方法を選ぶことが大切です。
工事箇所の特徴に合わせる
防水工事の中には、段差や凸凹があると施工できない場合があります。また、強度が必要など施工箇所によって必要なポイントは異なるので、工事箇所に合った工法を選びましょう。
予算・メンテナンス予定に合わせる
防水工事は工法によって、予算や耐久年数が異なります。防水機能を長く維持させる方法は、コストがかかる傾向にあるため、予算や次回メンテナンス時までの期間のバランスを考慮して選ぶと良いでしょう。
防水工事を依頼する前に基礎知識を把握しておこう
防水工事には様々な工法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。また、既存の工法との相性もあるため、防水工事を依頼する際は、事前に基礎知識を把握した上で最適な工法を選びましょう。