家の基礎のひび割れを補修する方法は?ひびの原因や工事内容をご紹介
建物を支える土台となる「基礎」。基礎にヒビなどの劣化が生じると、安全面に影響が出るのではないかと不安になりますよね。そこで本記事では、家の基礎の補修方法をご紹介します。ひびの原因も併せてお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
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家の基礎とは
家の基礎とは、基礎巾木(きそはばき)とも呼ばれる場所で、建物そのものを支えるコンクリート部分のことです。どのような住宅でも、基礎は建物と地盤の間に存在します。建物にかかる荷重や外力を、地盤に安全に伝えることを目的として設けられています。
1981年6月1日から施行されている、新耐震基準において「基礎は鉄筋コンクリート造でなくてはならない」ということが定められました。基礎には、一般的な家屋に使われる布基礎やベタ基礎、オフィスビルやマンションなどの非住宅建築物に採用されている、独立基礎などの種類があります。
家の基礎にひび割れが発生する原因
ここからは、家の基礎にひび割れが発生する原因をご紹介します。
乾燥や収縮
コンクリートに含まれている水分が乾燥すると、基礎が収縮することによりひび割れが発生します。基礎のひび割れする原因の多くが、乾燥によるものだといえるでしょう。
土地の地盤が沈下した
土地の地盤に問題がある場合、住宅の重さによって地盤が沈下することがあります。その結果として基礎の一部に負担がかかり、ひび割れが発生します。地盤沈下の程度が大きい場合には、家の建て替えを考えなければならないこともあるため、早めに専門業者に相談してみてください。
気温の変化
基礎部分のコンクリートは、気温が急激に下がることで収縮する性質を持っています。そのため、夏の気温が高い時期に基礎工事を行った場合、昼と夜の気温差でひび割れが起こるケースが少なくありません。一方冬の時期は、コンクリート内の水分が凍結して膨らみ、溶ける際に緩みます。この気温の変化を繰り返し受けることで、ひび割れしやすくなります。
コンクリートの中性化
コンクリートはアルカリ性の状態を保っているため、内部の鉄筋は錆びにくいです。しかし、空気中の二酸化炭素と結合して化学反応を起こすことで、コンクリートが中性化してしまうと、鉄筋に錆が生じます。錆びた鉄筋が膨張することで、ひび割れや剥離が発生するのです。
自然災害の影響
大地震などの自然災害により、基礎にひび割れが生じることがあります。小さな地震であれば、基礎にダメージが与えられることはほとんどありませんが、大きな地震が繰り返される場合には要注意です。大きな地震があった場合には、家の基礎に異常がないか点検を行いましょう。
工事の際の施工不良
基礎工事を施工する際に、何らかのミスや手抜きがあると、ひび割れが生じやすくなります。配合を間違えていたり、厚みが不足していたりすることが主な原因です。
ひび割れの補修方法
ここからは、ひび割れの主な補修方法をお伝えします。
シール工法
シール工法とは、シール材をひびに注入する方法です。ひび割れの症状が軽い場合に主に使用されます。ひび割れの具合や状況に応じて、注入する素材を適切に選ぶことが大切です。
Vカット(Uカット)工法
Vカット工法とは、コンクリートのひび部分に電動工具を使ってV字型にカットを入れ、その凹んだ部分にシーリング材を埋め込む方法です。Uカット工法の場合は、V字ではなくU字に切れ込みを入れます。保護するために、仕上げに表面を補修材でカバーします。幅や深さのある規模の大きいひびにも対応できる工法です。
ビックス工法
ビックス工法とは、ひび部分に注入器が付いたパイプを設置し、そこからエポキシ樹脂を流し込む補修方法です。施工性が良く、幅の狭い細かなひびにも対応できます。
埋め戻し工法
コンクリートの表面が、内側からの力で飛び出した剥がれたりすることを、ポップアウト現象と呼びます。ポップアウトが起きた場合には、埋め戻し工法が選ばれることがほとんどです。埋め戻し工法は、コンクリートの劣化した部分を削り取り、鉄筋の錆を落とします。防錆加工を施したら、エポキシ樹脂軽量モルタルやセメントモルタルを用いて、再度埋める作業を行います。
アラミド繊維シート
アラミド繊維は、耐熱性や弾力性、引っ張った際の強度に優れています。主に、海中ケーブルや防弾衣類など、高い強度を求められる製品に使用されている素材です。このアラミド繊維でできたシートを、ひび割れした部分に貼って、上からモルタルを塗ることで、補修を行うこともあります。
基礎のひび割れは早めに対処しよう!
本記事では、家の基礎に発生したひび割れを補修する方法をご紹介しました。基礎がひび割れした場合、ひびの大きさや深さ、状態に合わせて適切な工法を選ぶことが大切です。住宅基礎のひびでお悩みの方は、ぜひ専門業者に相談してみてください。
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