家に雨水が入り込むと、雨漏りや耐震性の低下、断熱材の劣化など深刻な被害につながるおそれがあります。そのため、ベランダや屋上など雨風の影響を受けやすい場所は、定期的にチェックして防水機能のメンテナンスをする必要があります。本記事では、防水工事を行うべきタイミングについて、メンテナンスが必要な劣化症状や、季節別に防水工事を行う際のポイントと注意点を解説します。

この記事を読むための時間：3分

防水工事を行うべきタイミング

一般的な防水工事の工法には「シート防水」「ウレタン防水」「FRP防水」の3つが挙げられます。以下のそれぞれの平均的な耐久年数に合わせて、メンテナンスを検討しましょう。

メンテナンスが必要な劣化症状

防水機能は日当たりや人の出入り具合など、環境によっても大きく左右されます。場合によっては劣化が激しく、目安とされる耐久年数より早くメンテナンスが必要となる場合もあります。そのため、日頃から以下の劣化症状がないか、こまめにチェックしましょう。

• ひび割れ
• 防水シートの剥がれ・浮き
• 雨漏り
• 雑草・苔の発生
• 水たまり

ひび割れ

防水層を保護するトップコートは、紫外線を浴び続けるとひび割れてきます。表面のみのひび割れであれば、すぐに雨漏りにつながるわけではありません。しかし、放置すると防水層にも影響を及ぼし劣化が早まってしまうため、ひび割れを発見した場合は塗り替えをしましょう。

防水シートの剥がれ・浮き

シート防水は、経年や雨風の影響によってつなぎ目の粘着力が低下すると、剥がれや浮きが発生します。防水層が剥がれた状態では、雨水が入り込みやすくなるため、早めの防水工事が必要です。

雨漏り

雨漏りは軽度のものであっても、放置すると建物の構造部を侵食して深刻な被害を引き起こすおそれがあります。また、雨漏りによって防水工事だけではなく、内部工事も行う場合は費用が高額になってしまうため、雨漏りが発生した場合は早急に対処するべきです。

雑草・苔の発生

防水機能が低下して水はけが悪くなると、雑草や苔が繁殖しやすい環境になってしまいます。雑草や苔は排水口を塞いだり、根が防水層を侵食したりして、さらなる防水機能の低下を招く原因にもなります。雑草はむやみに引き抜くと、防水層を破断するおそれがあるため、雑草や苔が生えてしまった場合は安易に抜かず、業者に雑草の駆除とメンテナンスを依頼しましょう。

水溜まり

雨が降った後、水が長期的に溜まっている場合は、排水口が詰まっている、防水シートによって勾配に不備が生じているなどの、排水機能の低下が考えられます。排水口の詰まりは定期的な清掃で予防できますが、勾配不良の場合は業者に相談する必要があります。長期的に水溜まりができるのであれば、水はけが悪い原因を探り対処しましょう。

【季節別】防水工事のタイミングと注意点

防水工事は1年を通して行うことができますが、時期によっては天候や気温に注意が必要です。ここからは季節別に防水工事を依頼する際のポイントを解説します。

春

春は天候が落ち着いた日であれば、施工が進めやすい時期です。ただし、春一番など強風になる日もあるため、注意が必要です。また、6月以降は梅雨となり、塗料が乾きにくくなり、工事が中止になるケースもあります。

夏

夏は高温で防水シートが伸びてしまうおそれがあります。また、ゲリラ豪雨や夕立など突発的に雨が降ることもあり、施工が難しい時期です。

秋

秋は春と同じく、天候が良ければ工事がしやすい時期といえます。しかし、台風が発生しやすい季節であり、工事の予定が崩れることも少なくありません。

冬

冬は低温によって塗料が乾燥しにくく、地域によっては凍結や結露のおそれがあります。また、降雪具合によっては工事ができないケースもあるため、寒さが厳しい地域は冬になる前に工事を済ませておくことをおすすめします。

防水工事・メンテナンスは適切なタイミングで行おう

防水工事は屋外で行われるため、気候や天気に左右されやすい傾向があります。梅雨や夏、冬は気温や天候の変動が激しく施工できない場合もあるので、適度な温度と湿度の春や秋に行うと良いでしょう。また、防水機能が劣化している状態を放置すると、雨漏りや家の耐久性の低下など、重大な被害につながるおそれがあります。定期的な点検と、劣化症状に応じたメンテナンスを行いましょう。